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参考資料

参考書籍


 こちらの3冊は図案や刺し順の載った初心者向けの本で、比較的手に入りやすいかと思います。実物大図案がのっているのでコピーして使用したり、そのままトレーシングペーパーに書き写したりでき便利です。

 吉田久美子さんは、故 吉田英子さんより薫陶を受け、現在はカルチャースクール等で後進の指導にあたっていらっしゃる方です。こちらの1冊は刺し子のかわいい花ふきんの続編として出版されました。吉田久美子さんの作品は、伝統模様なのに、北欧風にも見えるモダンでかわいらしいデザインが満載です。すべての掲載模様の実物大図案も載っており、製図の仕方や刺し方、仕立て方まで説明も丁寧に書いてあるので、初心者の方にもおすすめです。 篭目、分銅つなぎ、十字つなぎ、十字花刺し、柿の花、亀甲花刺しなどの基本的な伝統模様から他書では見られない珍しい変わり模様まで。あずま袋、コースター、お弁当つつみが1点ずつあり、あとは全てふきんで白い晒し以外に色とりどりの木綿やリネン素材のふきんが紹介されています。 布地や糸の色、模様によって、一枚のふきんのイメージがこんなにもがらっと変わるので、見ているだけでも楽しいですし、次にどんなものを作ろうかわくわくします。
 故 吉田英子さんは刺し子の本を多数出版されていますが、新品での購入が難しいようです。
 Amazonマーケットプレイス、ネットオークション、図書館、古本屋さんでみつかるかもしれません。

 『刺し子の花ふきん』(雄鷄社出版)は手順もわかりやすく、シンプルでかわいらしいデザインの模様が多いため人気があったようです。模様刺し(麻の葉、網文、七宝、青海波、枡刺しなど)や一目刺し(柿の花、十字花刺し、亀甲花刺し、方眼)の伝統模様が実物大図案つきで載っています。他書ではあまり見かけない模様に風車、変わり角七宝、花菱形があります。また、その他オリジナルのイラスト模様(急須と湯のみ、お茶碗、お鍋、桜、金魚、きのこ、梅、大根、干支など)の花ふきんが13種類も載っていて小さく薄い本ながら充実しています。イラスト模様の図案は実物大ではないため拡大コピーして使う必要があります。
 雄鷄社は破産のため、新品での購入が難しくなっており、中古本の値段は跳ね上がっています。私は、雄鷄社出版の図書は全て、最寄りの図書館でお借りすることができました。
 余談ですが、絶版となった書籍や大学の紀要など最寄の図書館で借りられないものについては、国立国会図書館へ足を運び閲覧しています。図書館を利用するには本人確認書類提示による利用者登録が必要です。古本でも手に入らないような古いものや貴重な資料が拝見できるので、助かっています。


刺し子の技法/銀座亜紀枝 美術出版社
 多くの創作模様を含めた伝統・古典模様、全171種の図案の掲載があります。銀座さんの創作模様である有名なあじさい刺しなどのくぐり刺し6種を含めた一針刺し全55種(裏表異なる模様をあわせると61種)、幾何模様が79種、具象模様が31種載っています。
 実物大図案の掲載はほとんどありません。また、自分で一から製図するには、製図の手順や目安となる方眼の線がないため、難しいかもしれません。この本の図案は基本的に拡大コピーして使うように倍率が書かれています。花ふきんを作るにはコピーしたものを何度かに分けて書き写す必要があるかと思います。
 伝統模様の名前が他書と異なるものも多数あり、銀座さんが付けられたのかもしれません。刺し子の伝統模様や日本の古典模様をより多く知りたい、勉強したいという方にはおすすめです。これから刺し子を始める方やすぐに花ふきんや小物に刺したい方には、最近おしゃれでわかりやすい刺し子の本がたくさん出版されていますので、他書をおすすめします。

【秋田に伝わる花ふきん】


 『暮しの手帖』に掲載された秋田の花ふきんの作品集が『嫁入り道具の花ふきん』という一冊の本になりました。
 伝統柄、創作模様の珍しい花ふきんの写真が70種類以上、掲載されています。 図案や刺し順は一切、載っていませんので初心者の方の教本としては難しいと思います。刺し子に慣れた方には刺し見本として使えると思います。私も目を凝らしながら写真の針目を追って、いくつかの模様を工作用紙に製図し、ふきんに刺してみました。
 麻の葉模様を変化させた鉄線胡麻柄麻の葉弁天麻の葉桔梗麻の葉などの美しい模様刺しや親亀小亀銭刺しなどの気品漂う繊細な地刺しなど。特に地刺しは細かな針目がびっしりと刺され、このように美しく同じ針目で一面に刺すには、相当の運針経験と時間が必要かと思います。
 また、地刺しの花ふきんの縁にはくぐり刺し(通し刺し)が施されています。ほとんどのふきんの四隅に糸の房がつけられているのが特長でかわいらしいです。

 一冊目の出版より二年という年月を経て、『嫁入り道具の花ふきん教室』という待望の二冊目がついに出版されました。『暮しの手帖』に掲載された秋田の花ふきん教室の記事3号分に新たな模様を加え、花ふきんの刺し方29種がオールカラー写真図解付きで載っています。地のしの仕方から額縁の飾り方(くぐり刺し)までこまやかに掲載されています。
 伝統的な刺し模様に変化を加え、独自の模様を考案されてきたため、近藤さんの作品には他書では見られない珍しいくずし模様、応用模様が多数見受けられます。伝統を崩さないよう心がけていらっしゃるためか、刺し子のイメージから大きく外れるようなことはなく、昔から存在したかのような堂々たる趣きの花ふきんたちです。
 模様に付けられた昔からの名前を大切にして、自ら新たな名前を付けることはしないという近藤さんの信念には先人を敬い尊ぶ心がうかがえます。

【庄内刺し子・遊佐刺し子】


 キルトに造詣の深いイギリスのスーザン・ブリスコさんの著書です。
 イギリスから山形県の遊佐町へ英語教師として来日していた際に、庄内刺し子に魅せられ、帰国後、日本の生地や伝統柄を使用したキルト作品の本や、刺し子の本を著されています。
 刺し子を施したテーブルセンター、座布団カバーなどのファブリックの作り方が載っていて、とにかくデザインがおしゃれです。伝統とモダンが融合した作品で、すぐにでも生活に取り入れたくなるような糸、布の色合わせになっています。
 また、100以上の刺し子の模様を集めた図案集は圧巻です。これだけ豊富な数の模様が載っている本は日本でも数少ないと思います。
 一般的な模様刺し・一目刺しの他、他書ではあまり見かけない、庄内刺し子(網代刺し、矢羽根刺し、うろこ刺し、花菱刺し、蛾刺し、枡形など)、遊佐刺し子(菱刺し、そろばん刺し、花亀甲刺し、向かい蝶刺しなど)、飛島刺し子のガンゼ刺しも載っています。
 全て英語で書かれていますが、オールカラーで見やすく、製図には矢印で刺し順が示してあり、また、サンプル写真には糸の色を変えて刺し順が示してあるので、わかりやすいと思います。
 実物大図案は載っておらず、いくつかの図案は拡大コピーして使えますが、残りの模様は自分で製図する必要があります。



 手芸の分野で活躍されている林ことみさんが刺し子を訪ねて、米沢、遊佐、弘前を旅された際の旅行記+刺し子レシピのようなおしゃれな一冊です。A5判の小さな薄い本なのに、内容は濃く、もり沢山です。
 数は多くはありませんが、古い刺し子着や小物、上杉花雑巾などのコレクションの写真(計16ページ)は刺し子の歴史に興味のある方にとっては一見の価値があると思います。
 その他、刺し子に関する考察、歴史については堅苦しくない読みやすい文章で書かれており、また現地の方に聞いたエピソードもいくつか載っていて、楽しめます。刺し子の背景やその歴史をつむいできた人々の思いを知る、先人から学ぶという大事なエッセンスが含まれているように感じます。
 上杉花雑巾、遊佐刺し子、こぎん刺し、菱刺しの図案や刺し子を用いた小物のつくり方が載っています。他書ではあまり見られないガンゼ刺しの図案と上杉花雑巾の通し刺し(くぐり刺し)が8パターンも載っています。

【こぎん刺し】

【菱刺し】

【その他 伝統民芸、歴史、文様に関わる本】



 美しい手縫いの仕事を、日本やアジアの国々から集めた一冊です。刺し子の仕事着、上杉花雑巾、遊佐の橇曳き法被、産着の背守り、百徳きもの、こぎん、菱刺し、日本刺繍、秋田の長てぬぐいなどありとあらゆる針仕事が満載です。多くの写真が掲載されており、その手仕事に関する歴史やその土地の人の話が載っています。
 丁寧にそして根気良く続けられたであろうその針仕事に母の強さを感じずにはいられません。

 クロスステッチには珍しい、和柄の伝統模様の図案が満載の一冊です。刺し子でおなじみの文様もあります。文様の由来や意味など豆知識も書いてあり、デザインもおしゃれなのでとても参考になります。

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